「お客さーん、閉店時間ですよー!」と、若い男性店員の声。
「もう午前2時なんでー、お店閉めないといけないんすよー。」
なんと、もう午前2時なのか!どうやら5時間以上時を経つのを忘れて遊んでいたようだ。いつの間にか周りの客もいなくなり、店内の電気も一部落とされている。おっさんは家で怒って待っているはずの妻のことを思うと帰りたくなくなった。だが、帰らない訳にはいかない。ちょっと残念な気持ちになりながら、ゲームセンターを出ていこうと思ったその時、見慣れないゲーム機が目にとまった。全てのゲームを遊んだと思っていたが、まだ遊んでいないゲームがひとつだけ残っていた。
店員に掛けあってみる「これでちょっとだけ遊んでから帰っていい?」、「オレも帰らないといけないんすよー。明日大学の授業あるしー」。
だが、ここまできたら引き下がる訳にはいかない。もうこれ以上帰りが遅くなっても、妻の怒りが増えるわけでも減るわけでもない。
「じゃあさ、2000円あげるから、頼むよ、お願いだ」と若者に両手を合わせながら頼むおっさん。
「えー、困るなー。でも2000円かー、ここ時給安いんっすよねー。んじゃあ、ありがたく貰っときます!でもあんまり長く遊ばないでくださいねー」、やった。頼んでみるものだ。
最後のゲームを遊ぶべく、その見たこともないゲーム機に、深呼吸をしてコインを入れたおっさん。しかしこのゲームは他の物とはどこか違っていた…
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