2014年11月28日金曜日

11. ただのサラリーマン

おっさんの額が汗でベタベタしていた。
「あのー」と二人の警備さんに声をかけてみた。返事がない。
「お願いだから、帰らせてください!僕は、僕はただゲームで遊びに来ただけですよ、迷惑をかけるつもりはなかったです!どうか許してください、もう家内も心配している、きっと!僕は普通のサラリーマンですから、帰らせてください!」おっさんは急にあせた。
「サラリーマン?」と一人の警備さんが言い返した。
「そうです、普通の会社員ですよ、本当にどうでもいい人ですから、帰らせてください!」
警備さんたちがしばらく黙っていた。
「どうも怪しいようですね。」と一人がいう。
「かなり怪しいようですね。」ともう一人が賛成する。
おっさんはさらに汗をかいた。警備さんがおっさんを立ち上げて、通路の先の方のドアまでむりやり連れて行った。ドアが開いて、大きくて丸いホールが見えてきた。ホールの金色の壁にはいくつかのドアがあった。警備さんがおっさんを一つのドアまで連れて行って、ドアを開けて、おっさんを白い壁の部屋に投げた。そしてドアを閉めた。おっさんは部屋に一人になった。部屋には家具は一つもなくて、しかも床も硬くて非常に寒かった。それでも、おっさんはずっとゲームしてたせいで眠気を感じて、床に横になってあっという間に寝てしまった。

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